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夜の五重塔
夏の宵、東照宮表門の入り口前に立つ五重塔は、巨大な灯心となって聳え立つ。
きらびやかな細部があますところなく照らし出され、鬱蒼と生い茂る杉木立は、濃緑の闇を作って灯心を際立たせる。
夕涼みにふらりとここへ立ち寄ったとき、冥界の入口に迷い出たような錯覚にとらわれて、この怪異な美にしばらく見とれた。